海外情報通信関連企業視察
電気通信協会 フィリピン通信関連企業視察
フィリピンにおけるビジネス事情、通信事情および現地日系企業の取り組み等の調査を目的に、2024年10月21日から10月25日までの5日間、電気通信協会主催の「フィリピン通信関連企業視察」を実施し、会員企業ならびに協会から総勢4名が参加しました。
フィリピンは、ジェトロ発表資料によると、人口が日本の約9割にあたる約1億1千万人、平均年齢は約25歳と非常に若く、年間GDP成長率は2022年に7.6%となるほど、近年東南アジアの中でも経済成長率が大きく期待されている国です。最近、インドを抜いて世界1位となったBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業においては、特にコールセンターで世界の有名企業の拠点も多く、これはフィリピンの英語力の高さが関係しているといわれています。フィリピンの業種別対内直接投資は、情報・通信部門が全体の約5割を占め、他の業種を圧倒しており、IT系企業の進出も増加しています。
今回は、商業、工業、政治の中心である首都マニラを起点に、その周辺地域を視察しました。日本企業のフィリピンビジネスを支援しているジェトロ(マニラ事務所)では、最新の経済事情、ビジネス慣習をうかがいました。
フィリピンの通信事情に関しては、フィリピンのインターネット・ブロードバンド市場をグローブ社(Globe Telecom)と二分しているPLDT社(Philippine Long Distance Telephone:以下PLDT)を訪問しました。PLDTの子会社であるePLDT社が有するマカティ市内のデータセンタ設備見学ツアーに参加し、ePLDT社の事業内容、戦略ならびに、データセンタの業務についてうかがい、同社のデータセンタ設備を視察しました。
また、フィリピンで光ファイバケーブルの敷設をはじめとする情報通信ネットワーク構築を行っている日系企業「MG EXEO Sun Valley Office(Engineering Center)」を訪問し、フィリピンのインフラ環境等、さまざまな面で課題の多い通信事情の現状や、高品質の工事を提供するための技術力の強化・向上ならびに人材育成推進などについて、同社の取り組み状況をうかがい、敷地内にある各種訓練施設や電柱、資材保管室などを視察しました。さらに、マカティ市内にて実際の架空ケーブル配線状況も視察しました。
視察報告書は、電気通信2025年1月号に掲載されています。